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いきなりビルのZEB化ってハードル高そう。
将来的にZEB化を見据えて、機器更新、建築改築を行っていきたいけど、建物のライフサイクルに無駄はないのかな?
ビル経営を脱炭素化するには、建築物の低炭素化を継続する必要性が変わることはなく、建築物の消費エネルギーを最大限減少させた後に、再生可能エネルギーへの転換が求められます。
建築物は、企画、設計に基づいて建設されます。
下記に示したライフサイクルの中で、一番コストがかかるのは、竣工後の運用段階です。日常のメンテナンス費用、建物機能を維持するためのエネルギーコスト、劣化や不具合に対する修繕費、設備機器等の更新費用など、運用時のコストが大きいことは、ご承知の通りです。
そもそも、建物の施工時には、過大な設備が設置されることが多くなります。
これは、設計時に建物がどのように使われるかが分からないため、最悪の条件を想定して、設備機器の性能や容量が決定されることが多いためです。
例えば、冷房設備を考えると、夏場の最高気温を記録した時に、室内で最大収容人員が仕事をしていても、十分な冷房を建物全体に行きわたらせることができる冷房システムが選択されます。(そのようなこのような事態が発生する確率は、極めて稀か、まったく無いかも知れません。)
エコチューニングを導入するという事は、エコチューニングによって蓄積される、エネルギー消費に関するデータと設備機器の運転データから、適正な冷暖房性能が割り出せます。
空調設備の更新時には、設備のダウンサイジングが可能となり、更新のイニシャルコストと更新後のランニングコストが低減されることにつながります。もちろん、空調設備更新後に、エコチューニングが実施されるならば、なおランニングコストが削減されます。エコチューニングを導入することによって、建築物のライフサイクルコストは、確実に、低減されます。
エコチューニングによって、建物が消費するエネルギーを最大限絞り込んだのちに、再生可能エネルギーに転換する。
この道筋が、建築物の98%以上を占める建物ストックに採用されることによって、脱炭素社会が実現できると思っています。